Someone tell a lie about a little mermaid
人魚姫の体は
泡になって海へと溶けていきました。
アンデルセンのかく童話、人魚姫の最終。
続きがあるの、知ってました?
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人魚姫が海の泡となったその時
お日様の光が
優しく、あたたかくその泡にあたり
人魚姫の泡はどんどん空へと上っていき
空気の精となります。
空気の精が言います。
『わたしたちは、人間の愛などなくても
永遠に生きられるのよ。
重苦しい熱病が人間に死をもたらす暑い国へと
とんで行って、すずしい風をはこぶの。
空気を花の香りでいっぱいにして、
安心と癒やしをもたらすの。300年のあいだ
できるだけ、よい行いをしようとすれば
不死の魂と幸せを手に入れるのよ。
かわいそうな人魚さん、あなたも心から
よい行いをしてきたのね。苦しんで、
たえて、空気の精の世界にのぼってきたのよ。
これであなたも、自分の力で不死の魂を
手にいれられるわ』
そうして人魚姫は空に浮かぶバラ色の雲にむかって
舞い上がっていきました。
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アンデルセン童話の中でも
人魚姫はかなり異質なのではないでしょうか。
カトリックの宗教文化では、
天国こそ至高至福の場所であり、
生前に善行をおこなうことでこの場所へ行ける、
と
大さっぱに言うとそんな宗教観。
人魚姫は
自己犠牲を突き詰めた結果
天国へと行ったのでしょうか。