思い出
あれは14才の時。
うだるような暑さを感じる夏の日でした。
人生に恥を重ね続けた私は
もうこの世に
いてはいけないのではないかと
半ば宗教にもにた思想で死ぬことへ執着していました。
どの死に方が1番リスクがないのか。
ここでいうリスク、とは
痛みや他人へ与える影響のことです。
今思うと何て浅はかで稚拙な考えだろうと
顔から火が出る思いですが
それでも当時の私にはそれ位
深刻で重大な気持ちでした。
思い立ったが吉日。
ふんわりと
友達の家に向かうような足取りで
樹海へ向かいました。
少し湿り気のある
柔らかな土を
1歩1歩踏みしめていきます。
少し薄暗かったでしょうか。
子供の足で2時間程歩いたその先には公道が見えました。
今思えば、深部までは行かず
端の方を歩き回っていただけなのだと思います。
滑稽でしょう。
それでも
私の両足は
何度堕ちたとしても生きることを選び続けてきたようです。